会社員とは異なる自由な働き方として「フリーランス」が注目を集めています。
一方で、フリーランスには収入や社会保障の不安定さを心配する見方も少なくありません。
そこで、この記事ではフリーランスのメリット・デメリットについて会社員からフリーライターになった筆者の視点から徹底解説します。
この記事を読めば、あなたがフリーランスを目指すべきかについて、判断の材料が集まるでしょう。ぜひ最後までご覧ください。
フリーランスのメリット5選
まずは、フリーランスのメリットについて5つ解説します。
時間や場所を選ばずに働ける
フリーランスは時間や場所にとらわれず、自分のペースで仕事ができます。
たとえば会社員のように、毎日同じ時間の通勤や、決められたルーティーンワークはありません。
そのため、フリーランスになると次のような生活ができるようになります。
- おしゃれなカフェに行き、パソコンひとつで仕事する
- 子どもの面倒を見ながら、自宅で働く
- 平日休みの友人と、ランチに出かける
- 急に時間が必要になっても、対応できる
自分自身で働き方を決めたい、好きな時間に仕事をしていたい方にとって、フリーランスは魅力的な働き方といえます。
ライフイベントに左右されずに続けられる
フリーランスには、ライフイベントに左右されずに仕事を続けられるメリットがあります。
仕事が続けやすい理由は、フリーランスであれば自分の裁量で仕事量を調節できるからです。
とくに結婚や出産、育児を理由に仕事を離れなければならないケースは、働き方改革が進む現在でも多く見られます。
内閣府が発表した令和2年度の報告によると、3割の女性が出産を期に退職しており、会社員として働き続ける難しさが読み取れます。
引用:内閣府|令和2年度 年次経済財政報告|第3-2-6図 結婚・出産と就業
また一度現場から離れても、スキルや人脈を活かして復帰しやすいのもフリーランスの特徴です。
フリーランスとしてスキルを磨けば、環境の変化にもうまく対応できるでしょう。
好きなことを仕事にできる
会社員であれば、配属先や転籍によって、希望する仕事が必ずできるとは限りません。
自分がやりたいと思った好きな仕事ができるのは、フリーランスの特権です。
フリーランスの活躍例としては、おもに次の業種が挙げられます。
- カメラマン
- デザイナー
- Webライター
- ブロガー
- プログラマー
趣味を仕事にした方や、副業を楽しむうちに本業になっていた方まで、多くのケースが見られます。
稼ぎ続けるのは会社員よりも大変ですが、好きなことを仕事にできるやりがいは大きいでしょう。
人間関係に縛られない
フリーランスは一緒に仕事をする人を選べるため、会社員と比べて人間関係の悩みは自分で調整しやすいのが特徴です。
厚生労働省の調査によると、令和2年に転職した女性が前職を辞めた理由で最も多かったのは、「職場の人間関係」でした。
- 職場の人間関係が好ましくなかった……13.3%
- 定年・契約期間の満了……12.7%
このように、会社員の悩みとして多いのは上司や同僚との「人間関係」です。
職場の環境に疲れてしまった方にとって、フリーランスは選択肢のひとつになりうるでしょう。
経費が使える
仕事を進める上で必要な支出であれば、経費としての計上が可能です。
認められれば収入から差し引いて計算できるため、手元に残るお金を増やせる可能性が高まります。
経費として認められる例は以下のとおりです。
- Webライター……パソコン
- カメラマン……カメラ
- デザイナー……制作ソフト(例:Illustrator、Photoshop)
高額な機器であっても、きちんと申告すれば問題ありません。
経費をうまく活用すれば、収入によっては税金で10万円以上も得する場合もあります。
フリーランスのメリットとして、押さえておきましょう。
フリーランスのデメリット5選
ここからは、フリーランスのデメリットについて5つ解説します。
収入が不安定になる
フリーランスの報酬は依頼される仕事量や単価による変化が大きいため、収入が安定しにくいのがデメリットといえます。
とくにフリーランスになったばかりの時期は、継続的な仕事がなく不安定な収入に悩んでいるケースも多いでしょう。
僕が最初に受注した案件は、時給200円台でした……
また、不測の事態で働けなくなった場合、会社員のように月給が保障されていない点は、注意しておきましょう。
たとえば、体調を崩して1週間仕事ができなかった場合は、単純に1週間分の収入が一気になくなってしまいます。
収入面の補償が手薄なぶん、ブログやコンテンツ販売などストック型の収益があると安心です。
スキルや専門性がないと稼げない
個人で戦うフリーランスにとって、スキルや専門性がなければ稼ぎ続けるのは難しいでしょう。
なぜなら、スキルや専門性は「依頼される理由」に強く関係するからです。
たとえば、フリーランスの仕事を報酬で分けた場合は、以下のような特徴があります。
- 報酬が高い……高度なスキルや専門的な知見が求められる(例:弁護士に弁護を依頼、相談料10,000円/時間)
- 報酬が低い……一般的なスキルや経験で対応できる(例:好きな料理についてのアンケートに回答する、報酬50円/件)
極端な例ではありますが、「何ができる人か」で獲得できる案件が絞られ、報酬に差がつくのがわかります。
フリーランスとして生きていくのであれば、専門性を磨く必要があるでしょう。
人間関係が希薄になる
フリーランスのデメリットのひとつは、人間関係が希薄になる点です。
会社員であれば、意識しなくても同僚や上司とコミュニケーションをとる機会があります。
しかし、フリーランスは単独行動が多く、自分から積極的に動かなければ仕事上の人間関係はどんどん薄くなっていきます。
解決策としては、以下のような手段があります。
- SNSで同じ業界の人とつながる
- オンラインサロンに入り交流する
- 友人と定期的に会い刺激をもらう
なかには「わたしは人と関わらなくても大丈夫」と思っている方もいるかもしれません。
しかし、寂しさに勝てず会社員に戻る方もいるほど、フリーランスは孤独になりやすい働き方です。
フリーランスは人づてに紹介で仕事につながる可能性もあるため、仲間ができにくい点を押さえておきましょう。
社会保険料が全額負担になる
フリーランスは、社会保険料が全額自己負担になります。
フリーランスが負担しなければならない社会保険料の種類は、おもに以下の2つです。
- 国民健康保険
- 国民年金
一方で、会社員の場合、次の2つは社会保険料を会社と折半で負担します。
- 健康保険
- 厚生年金保険
そのため、フリーランスになると社会保険料の支払い額が増加し、金銭面での負担が大きくなります。
なかには、収入が安定しないなかでの支払いに困ってしまうケースも少なくありません。
どうしても支払えない場合は、国民年金の免除申請を活用するなど、対策が必要です。
自己管理できないとだらけてしまう
フリーランスの働き方は、良くも悪くも自分次第です。
たとえ仕事をしなかったり、手を抜いても、上司から責められることはありません。
その一方で、仕事をしなければ収入はあっという間に下がり、生活は苦しくなってしまいます。
また、手を抜いた仕事は評価されず、クライアントから継続依頼を受注するのは難しいでしょう。
自分を律することができない人や、責任感が弱い人は、フリーランスには向いていない可能性があるといえます。
定年がない
フリーランスに「定年退職」の概念はありません。
年金制度は会社員に比べて弱く、安定した収入を得るには定年後も働き続けなければならない可能性があります。
定年後はゆっくりと過ごし、趣味に没頭するような暮らしを望むのであれば、フリーランスの働き方はデメリットになり得るでしょう。
フリーランスになる前にやっておくべき5つの準備
フリーランスのメリット・デメリットをみていきました。
ここからは、フリーランスになる前にやっておくべき5つの準備について解説します。
副業でスキルを磨く
スキルや専門性はフリーランスとして生きていく上では必須といえます。
本業のスキルをそのまま転用できるパターンもありますが、なかには「自分には生かせるスキルがない」と悩む方もいるかもしれません。
スキルを磨くためには、勉強と並行しながら、副業として仕事を受注するのがおすすめです。
たとえば、未経験からWebライターを目指す場合、以下のような手順で進める方法があります。
- 初心者向けの本でライティングを学ぶ(2週間程度)
- クラウドソーシングサイトに登録して案件を受注する(文字単価0.5円程度)
- 実際の仕事に触れながら執筆方法を学ぶ
- 足りない知識を本やサイトで補う
- 納品する
- 2に戻る
クラウドソーシングサイトとは「スキルを生かしたい側」と「仕事を依頼したい側」を結ぶプラットフォームです。
初心者でも取り組める案件が豊富にあるため、副業をスタートするにはおすすめの場所です。
なかには「そんなに早く仕事を始めてもいいのか」と疑問に思う方もいるでしょう。
しかし、基礎を学んだ後は仕事を受けつつ必要な知識を補う方が、成長スピードが格段に早くなります。
そのため、初心者向けの案件に積極的にチャレンジしてみましょう。
国内の大手クラウドソーシングサイトの例は、次の通りです。
- CrowdWorks(クラウドワークス)
- Lancers(ランサーズ)
- coconala(ココナラ)
クラウドソーシングを含めた「依頼された仕事を請け負う」業務形態を「クライアントワーク」と呼びます。
副業でクライアントワークを請け負うメリットは、以下の通りです。
- スキルや専門性を磨ける
- 仕事への適性がわかる
- 報酬の相場感がつかめる
クライアントワークには、経験しなければわからないメリットやデメリットがたくさんあります。
怖がらずに、ぜひチャレンジしてみてください。
貯金する
フリーランスにとって重要なマインドのひとつは「Cash is King」(現金は王様)です。
社会保障が薄く、収入が安定しないフリーランスにとって、現金をどれくらい持っているかは生活の備えとして重要といえます。
「退職金や失業保険がもらえるから大丈夫」と思われるかもしれませんが、実際に多いケースは以下のとおりです。
- 退職金……国民健康保険と住民税の支払いに使ってしまう場合も
- 失業保険……実際に振り込まれるのは失業認定から約1ヶ月後
つまり、退職金や失業保険に期待しすぎると、現金が足りなくなる可能性も少なくありません。
理想としては、フリーランスになる時点で半年〜1年分の生活費を貯めておくと良いでしょう。
クレジットカードを契約する
フリーランスになる前に、必要なクレジットカードは作っておきましょう。
理由は、フリーランスは社会的信用が低く、審査がとおりにくくなってしまうからです。
なお、事業用に特化したクレジットカードであれば、個人事業主であっても申し込めるカードもあります。
下記で、その一例を紹介します。
- 楽天ビジネスカード
- 三井住友カード ビジネスオーナーズ
- NTTファイナンス Bizカード
どのクレジットカードが良いか悩む場合は、報酬の振込に使う銀行口座との互換性をもとに選ぶのがおすすめです。
不動産の契約を済ませる
住宅ローンを使った物件の購入や新たに賃貸契約の予定がある場合は、フリーランスになる前に済ませておくと良いでしょう。
なぜならクレジットカード同様、審査の面では会社員よりも立場が弱いからです。
なお、フリーランスとして安定する見込みが立つまでは、家賃の安い物件に引っ越すのも生活防衛策のひとつになります。
貯金がどれくらいあるかによっては引っ越しを選択肢に入れるのも良いでしょう。
人脈を作る
同じ業界に人脈を作っておくと、紹介で仕事が回ってくる可能性があります。
定期的に案件を振ってくれるクライアントと繋がっていれば、仕事がまったくない状態を避けられるため、積極的に関わりを持っておきましょう。
まずは「わたしはこんなことをやっています」と情報発信してみると、同じ業界の人に興味を持ってもらいやすくなります。
情報発信に役立つツールは以下の通りです。
- Discord
あなたの発信に合うツールを組み合わせてみましょう。
クライアントワークを始めるなら「クラウドワークス」がおすすめ
フリーランスになる前にクライアントワークを始めるなら
がおすすめです。
クラウドワークスは日本最大級のクラウドソーシング系サイトで、登録ワーカーは470万人以上をほこります。
おすすめする理由は、利用者が多いため案件が豊富で、初心者にもチャレンジしやすい内容もたくさんあるからです。
たとえばWebライターの場合「未経験可」で絞り込むと、経験が少なくても取り組みやすい案件がヒットします。
また、Webライターであれば執筆用のマニュアルが完備されている案件も多いため、安心して仕事を受注できます。
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フリーランスになる前にまずはクライアントワークを経験しよう
この記事ではフリーランスのメリットデメリットを紹介しました。
フリーランスになる前に、まずはクライアントワークを経験して、適性や必要なスキルを見極めるのがおすすめです。
ぜひあなたも、新しい働き方の第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。